AIRBAND WITH RTL-SDR
SDR#でエアバンドを受信する設定方法
SEE THE BAND. FIND THE VOICE.
航空無線は、AMに合わせれば聞こえ始める。
SDR#とRTL-SDRを使い、航空無線の信号をウォーターフォールで探して受信する手順です。最初の1波が聞こえるところまで、設定値と操作順を具体的に解説します。
先にSDR#の導入を完了する
この記事は、Windows 11でSDR#が起動し、RTL-SDRを選べる状態を前提にしています。まだの場合は、先にSDR#をWindows 11へインストールする手順書を上から順番に進めてください。
エアバンド受信に必要なもの
- Windows 11パソコン
- インストール済みのSDR#
- RTL2832U系のRTL-SDR受信機
- VHF帯を受信できるアンテナ
- 音を聞き取りやすいイヤホンまたはスピーカー
民間航空の音声通信を探すなら、最初は118〜137MHz付近を対象にします。航空機側の電波は上空から届くため比較的受信しやすい一方、空港側の地上局は地形や建物の影響を強く受けます。
最初に使う設定値
| Source | RTL-SDR USB |
|---|---|
| Sample Rate | 2.4MSPS。途切れる場合は2.048MSPS以下。 |
| Sampling Mode | Quadrature sampling |
| Mode | AM。WFMやNFMではありません。 |
| Filter Bandwidth | まず10,000Hz前後。聞きやすさに応じて8〜12kHz程度で調整。 |
| Step Size | 最初は25kHz。既知の周波数は数値を直接入力するのが確実。 |
| Squelch | 信号確認まではOFFまたは0。受信後にノイズが消える直前まで上げる。 |
| RF Gain | 中程度から開始し、信号とノイズを見ながら少しずつ調整。 |
| AGC | 最初はTuner AGCでもよいが、安定後は手動ゲインを試す。 |
画面では「細い山」を探す
航空無線は短いやり取りが多く、信号の山が数秒で消えることがあります。ウォーターフォールに縦の軌跡が現れたら、赤い選局線を中央へ合わせます。
SDR#で受信する手順
RTL-SDRとアンテナを接続する
アンテナを先に接続し、RTL-SDRをパソコン本体のUSB端子へ挿します。USBハブで不安定になる場合は本体へ直接接続します。アンテナは窓際など、できるだけ開けた場所へ置きます。
SDR#を起動してSourceを選ぶ
SDRSharp.dotnet8.exeを起動し、Sourceから RTL-SDR USB を選択します。デバイス設定でRTL-SDRが選ばれていることを確認します。
Sample Rateを設定する
まず2.4MSPS、Sampling ModeはQuadrature samplingにします。再生ボタンを押してウォーターフォールが流れることを確認します。表示や音が途切れるなら2.048MSPS以下へ下げます。
既知の周波数を直接入力する
周波数表示をクリックし、受信したい空港・基地の公開周波数をHz単位で入力します。たとえば120.500MHzなら 120500000 です。航空祭では当日の運用変更もあるため、主催者や最新の公式情報を優先します。
RadioをAMにする
Radioパネルで AM を選びます。FM放送で使ったWFMのままだと、航空無線の音声は正常に聞こえません。帯域幅をまず10kHz前後にします。
信号を選局線の中央へ合わせる
スペクトラム上の山をクリックするか、赤い選局線を山の中央へドラッグします。ウォーターフォールに縦線が出ている間に合わせると、交信が聞こえます。
RF Gainを調整する
信号が弱い場合はRF Gainを少しずつ上げます。画面全体のノイズ床だけが上がり、信号との差が広がらないなら上げすぎです。Airspy公式も、最低ゲインから始め、信号対雑音比を確認しながら増やす方法を案内しています。
Squelchを最後に調整する
まずSquelchを切って信号の存在を確認します。受信できた後、待受中の「ザー」という音が消える直前まで上げます。上げすぎると弱い航空機の交信まで消えます。
聞きやすい帯域幅の決め方
声がこもる・途切れる
帯域幅が狭すぎる可能性があります。8kHzから10kHz、12kHzへ少しずつ広げます。
隣の信号やノイズが入る
帯域幅が広すぎる可能性があります。12kHzから10kHz、8kHzへ狭めます。
中心がずれて聞きにくい
選局線を信号の中央へ合わせます。恒常的にずれる受信機は、十分に温まってからPPM補正を行います。
強いFM放送の影響が出る
ゲインを下げ、アンテナを変えます。都市部ではFM帯阻止フィルターが有効な場合があります。
周波数を探すコツ
- 最初はタワーやATISなど既知の周波数から:闇雲に全帯域を探すより動作確認が早くなります。
- 空港の運用時間に合わせる:深夜や発着の少ない時間帯は長く待っても聞こえないことがあります。
- 航空機の動きを地図で見る:近くを飛ぶ機体がある時間に待ち受けると確認しやすくなります。
- ウォーターフォールを観察する:短い縦線が何度も出る周波数へ選局線を合わせます。
- 地上局が聞こえなくても航空機側を待つ:住宅地では航空機側だけ聞こえることも珍しくありません。
入間基地・ブルーインパルスを聞く場合
入間基地航空祭で使う場合は、通常の航空無線と同様にAMモードで、事前に複数の公開周波数を準備します。ブルーインパルスの展示飛行でも、開催基地のタワー周波数で交信する場面があります。
具体的な準備、入間TWRの周波数、当日の聞き方は入間基地航空祭でブルーインパルスの交信を聞こうにまとめています。SDR#では広い範囲を一度に可視化できるため、交信の出た周波数を目で見つけやすいのが利点です。
スキャン機能について
2026年10月に確認したAirspy公式のSDR# x64安定版は、最小構成の Plugins フォルダーが空で、環境によっては周波数スキャナーが表示されません。まず本記事の手動選局で受信できることを確認してください。
複数周波数の自動スキャンが必要なら、Airspy公式ダウンロードページから案内されているCommunity Plugin PackageやFrequency Manager系プラグインを検討します。プラグインは本体の対応版を確認し、SDR#フォルダーをバックアップしてから追加します。古いプラグインはx64版で動かない場合があります。
録音するときの考え方
SDR#の録音機能や対応プラグインを使うと、受信音声またはIQデータを保存できます。音声だけを残すなら容量を抑えられます。IQ録音は後から帯域内を選局し直せる一方、ファイルが非常に大きくなります。
- 航空祭では空き容量を事前に確認する
- 最初は音声録音で動作確認する
- 保存先を内蔵SSDなど高速な場所にする
- 録音ファイルを公開・共有する前に法令と権利を確認する
聞こえないときのチェック
ウォーターフォールが動かない
Source、WinUSBドライバー、再生ボタン、ほかのSDRソフトがデバイスを占有していないか確認します。
信号は見えるが音声にならない
ModeがAMか、選局線が山の中央か、Audio出力先とミュートを確認します。
ノイズしか聞こえない
周波数、運用時間、アンテナ接続を確認します。Squelchを一度OFFにして弱い信号を探します。
航空機だけ聞こえる
故障とは限りません。地上局は低い位置から送信するため、建物や地形で遮られやすくなります。
PC操作でノイズが増える
USB延長ケーブルで受信機をPCから離し、アンテナや同軸を電源・ディスプレイ・ルーターから離します。
受信範囲全体が強い信号で埋まる
RF Gainを下げます。近隣の強いFM放送が原因なら、対応フィルターを検討します。
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購入時はRTL2832U系、TCXOの有無、受信範囲、アンテナ端子を確認してください。最初はアンテナ付きセットが手軽ですが、受信性能を伸ばすならエアバンド向けアンテナも検討します。
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RTL-SDRはこの構成では電波を送信しませんが、受信した第三者間の通信内容を漏らしたり窃用したりしないでください。周波数情報は変更される場合があります。最新の公式情報を確認し、関係法令と現地のルールを守って利用します。
まとめ
SDR#で航空無線を聞く基本は、RTL-SDR USB、AM、帯域幅約10kHz、ステップ25kHz、スケルチOFFから始めることです。既知の周波数を直接入力し、信号を選局線の中央へ合わせ、RF GainとSquelchを最後に調整します。
まず1波を確実に受信してから、アンテナ、周波数管理、スキャン、録音へ広げると、どこで問題が起きたか分かりやすくなります。
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