USED RADIO FIELD NOTE

八重洲無線VX-5中古レビュー:50MHzをハンディ機で楽しむ

公開日 2026.10.12 / 50・144・430MHz FMハンディ機 / 読了目安 11分

YAESU VX-5

古い。でも、この小ささで50MHzまで出られる。

メルカリで12,000円。購入理由は、50MHz帯の交信をハンディ機で試したかったからです。広帯域受信と3バンド送信を手のひらサイズに詰め込んだ、今も面白い一台です。

50MHz 5W144MHz 5W430MHz 4.5W広帯域受信
購入先・価格メルカリで中古購入。価格は12,000円。
購入目的50MHz帯のFM交信をハンディ機だけで試すため。
付属アンテナDIAMOND SRH920が購入時に付属。
DIAMOND SRH920を装着した八重洲無線VX-5
中古で購入したVX-5。写真ではDIAMOND SRH920を装着し、433.000MHzを表示している。

VX-5はどんな無線機か

VX-5は八重洲無線が発売した50/144/430MHz帯のトリプルバンドFMハンディ機です。すでに生産終了した旧機種ですが、50MHzまで送信できる小型機、AM・短波・エアバンドを含む広帯域受信機、携帯しやすいスキャナーという三つの顔を持っています。

発売当時の設計なので、Bluetooth、GPS、USB充電、デジタル音声通信はありません。一方、数字キーを備え、周波数を直接入力でき、220チャンネルの通常メモリーを持つため、アナログFMを中心に使うなら現在でも実用的です。

主なスペック

送信周波数50〜54MHz、144〜146MHz、430〜440MHz(国内アマチュアバンド。個体・地域仕様により異なる)
送信モードFM(F2/F3)。50MHzでもSSBやAMではなくFM運用
最大出力50MHz:5W、144MHz:5W、430MHz:4.5W(7.2Vバッテリー使用時)
受信方式ダブルスーパーヘテロダイン
メモリー通常220ch、バンドごとのHOME、PMS用10組、5メモリーグループ。最大8文字の英数字ラベル
周波数ステップ5 / 10 / 12.5 / 15 / 20 / 25 / 50 / 100kHz
トーン39波CTCSS、104コードDCSのエンコード/デコード
サイズ58 × 88 × 27mm(突起・アンテナを除く)
重量約255g
標準バッテリーFNB-58LI、7.2V・1100mAh。中古品は劣化状態を要確認
アンテナ端子50Ω、SMA

受信範囲はかなり広い

0.5〜1.8MHz中波AM放送
1.8〜16MHz短波放送。内蔵アンテナだけでは条件に左右される
48〜59MHz50MHzアマチュア帯周辺
59〜108MHzFM放送(ワイドFM)
108〜137MHz航空無線・エアバンド(AM)
137〜174MHz144MHz帯を含むVHF
174〜222MHzVHFテレビ帯
222〜420MHzVHF/UHF各種帯域
420〜470MHz430MHzアマチュア帯を含むUHF
470〜729 / 800〜999MHzUHF帯。セルラー帯など一部はブロック
「受信範囲内」でも、すべての通信を聞けるわけではありません。
VX-5はアナログ受信機です。デジタル化・暗号化された業務通信や現在使われていないアナログテレビ音声などは、周波数が範囲内でも内容を聞けません。受信は法令と通信の秘密に配慮し、聞いた内容を第三者へ漏らしたり悪用したりしないことが必要です。

50MHzをハンディ機で運用する面白さ

この機種を選んだ最大の理由は50MHz帯です。144/430MHz対応のハンディ機は多いものの、50MHzまで一台で送信できる機種は限られます。近距離のFM交信だけでなく、季節や伝搬状況によって遠方が開ける50MHzの雰囲気を、小型機で試せることに魅力があります。

ただしVX-5で扱えるのはFMです。50MHzで盛んなSSBやCWを送受信する機械ではありません。また、ハンディ機の高さと短いアンテナでは通信距離に大きな制約があります。見通しのよい高所へ移動する、長い50MHz対応アンテナや外部アンテナを試す、といった工夫で本来の面白さが出てきます。

送信にはアマチュア無線技士の資格と無線局免許が必要です。
使用する周波数・モード・出力が免許の範囲内であることを確認してください。中古機は技術基準適合証明番号、改造歴、正常な送信出力も確認します。

付属していたDIAMOND SRH920

購入時にはDIAMOND(第一電波工業)のSRH920が付属していました。50/144/430MHz帯に対応するSMA-P型のコンパクトアンテナで、全長109mm、重量29g、耐入力6W。VX-5の3バンドと組み合わせやすく、持ち歩きやすさが長所です。エアバンド、150/300/450/800/900MHz帯の受信にも対応すると案内されています。

一方、50MHzの波長は約6mです。全長約11cmのSRH920は携帯性を優先した設計なので、50MHzで大型アンテナと同じ効率を期待するものではありません。近距離や持ち歩きには便利ですが、交信範囲を伸ばしたい日は、より長い50MHz対応アンテナや外部アンテナを使い分けるのが現実的です。

メモリー編集はVX-5 Commanderで楽になる

220チャンネルを本体のキーだけで登録し、8文字の名前やトーン、シフト、出力まで設定するのは大変です。フリーソフトのVX-5 Commanderを使うと、メモリーの編集・移動・コピー、スキャンエッジ設定、Set Mode設定、CSVの入出力などをPC上で行えます。

作者配布ページの最新版は0.9 BETAで、古いWindows向けのソフトです。現行Windowsで必ず動作する保証はなく、作者も注意して使うよう案内しています。まず無線機から現在の内容を読み出してバックアップを保存し、一度に大量変更せず少数のメモリーで書き込みを試すのが安全です。

  1. 無線機の電源を切り、対応するUSBプログラミングケーブルを奥まで確実に接続する。
  2. Windowsのデバイスマネージャーで割り当てられたCOMポートを確認する。
  3. VX-5 Commanderで先に無線機の内容を読み出し、元データを保存する。
  4. 周波数、名称、トーン、シフト、出力を編集し、内容を再確認してから書き戻す。

VX-5/VX-5Rの端子は4極TRRSとTTL変換を使うタイプです。見た目が似た「充電ケーブル」や他社機用ケーブルではプログラミングできません。商品説明にVX-5R対応が明記されたデータケーブルを選びます。

上記リンクはAmazonアソシエイトリンクです。HACKLIFEは適格販売により収入を得ています。

中古で買う前に確認したい点

VX-5が向いている用途

50MHz FMを小さな機材で試したい人、144/430MHzのローカル交信も一台で行いたい人、エアバンドやFM放送、短波放送まで幅広く受信してみたい人には面白い選択です。災害時用として保管するなら、古いバッテリーに頼らず電源と予備バッテリーを含めて定期点検が必要です。

反対に、USB-C充電、現行バッテリーの入手性、デジタル通信、防水性能、メーカーサポートを重視するなら現行機の方が安心です。VX-5は「何でも最新」な機種ではなく、50MHzと広帯域受信という個性を楽しむ中古機だと思います。

まとめ

12,000円で手に入れたVX-5は、年式を考えれば注意点の多い無線機です。それでも50/144/430MHzの3バンド、広い受信範囲、数字キー、PCから編集できるメモリーをこのサイズにまとめた設計は、今触っても魅力があります。

付属のSRH920で軽快に持ち歩き、50MHzでしっかり交信したい日はアンテナを変える。VX-5 CommanderとUSBケーブルでメモリーを整理する。古い機種だからこそ、装備を組み合わせて自分の使い方を作る楽しさがあります。

参考資料

トップへ戻る